カンボジアの最低賃金、2015年から月額128ドルに上昇
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最終更新日:2015/01/13
その他アジアのニュース, カンボジアの事情
ファストファッションと呼ばれるH&Mやスポーツウェアのアディダスやナイキの洋服を最近購入していないでしょうか?
もし購入していたら、是非、タグを確認して、どこで製造されたか確認してみてください。ひょっとしたらカンボジア製かもしれません。こうしたファストファッションといわれる安い洋服は、製造拠点を人件費の安い国にどんどんと移していくことで、安い価格を実現しています。以前は中国だったのですが、最近ではインド、バングラデシュ、ベトナム、そして最近ではカンボジアやミャンマーといったところに進出している企業も多いです。
カンボジアでは、賃金を上げるようにデモがたびたび起こっているのですが、それを受けて政府は最低賃金を現行の月額100ドルから28%あげ、128ドルとするように決定しました。
Cambodia raises garment wage
9月には賃上げデモがカンボジアで起こり、軍隊まで動員されたようですが、そういったことを受けています。それまで磐石だったフンセン首相の政権も、昨年の選挙でかなり議席を減らし、有力な野党もでてきて、カンボジアはやや不安定になっているといえます。
こうしたことも背景に、最低賃金の引き上げを決めたのでしょうが、労働組合は140ドルを要求していました。しかし、この金額では労働組合も不満を漏らしており、次の行動に向けて話し合いを持っているとのことです。
カンボジアでは、このようなアパレル産業が、輸出産業の基幹産業であり、年間10億ドルを稼ぎ出します。政府もSEZという経済特区をもうけて、世界各国からファストファッション産業を誘致しています。たとえば、ナイキやH&M、アディダスそしてGAPなどです。
彼らは税制上の優遇と、安い賃金を求めてやってきているのですが、カンボジアは非常にインフラの貧しい国です。たびたび停電しますし、電気代は高い。道路の整備も遅れているので運送コストも高い。
教育も弱いので、労働生産性も高いとはいえない。
全体的に見ると、進出してくる企業にとってコストの安い生産地というには微妙なところなのです。
これで賃金が上がってしまったら、こうしたファストファッションやスポーツアパレルは撤退してしまうかもしれないと政府は懸念しています。
ベトナム人ビジネスマンに聞いたところ、カンボジアは彼らにとってエマージングマーケットで、カンボジアに進出していくというベトナム企業やベトナム人も多いとか。
ASEANの域内統合で、相対的に経済力の弱いベトナムはタイやシンガポールといった先進国からやってくる企業と戦わなければなりませんが、一方でベトナムよりも経済力の弱いカンボジアやラオス、そしてミャンマーにはベトナムから進出していく企業も多いです。
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